日暮らし(上・中・下)/ 宮部みゆき 著
ここしばらく時代物にハマっていた私は、宮部みゆき氏の「あやし 」や「本所深川ふしぎ草紙
」「堪忍箱
」などを読みあさっていた。
ちまたに広く知れ渡っているのは「模倣犯」や「ブレイブストーリー」のように映画化された現代物なのだろうが、あまり手にした事はなく、“回向院の茂七”という岡っ引きのオッサンが出てくる時代小説を選択していた。
「日暮らし」は、そろそろ読み尽くしたかな~と思った頃に出た新刊である。
噺は町方役人の冴えない侍のオッサンと、絶世の美少年(くどい位に描写されている)である甥っ子(10才くらい)が、知り合いの植木職人に降り掛った殺人容疑を晴らし、事件を解決していく物語なのだが…。
が…である。
読んでみて判明したのだが、
「日暮らし 」は「ぼんくら
」の続編であった!
植木職人と知り合った経緯もしかり、他の脇役も数人は前作の
「ぼんくら 」に登場していた。
読み進めるうちに「○○とは、以前ある事件の時に出遭って…」などの、奥歯にものの挟まった表現が頻繁に出てくると、途中で読むのを止め「ぼんくら 」を買いに行こうか、という衝動にかられる。結局、完読したけど。
前後はしたけど「ぼんくら」も読んでおくか、と書店に足を向けてみると、驚いた事に、これがなかなか置いてない!
宮部氏の作品は、どの書店でも比較的平積みになっている事が多く、探し易いのだが。
しかも、これを読んでないと、新刊も面白さ半減というくらい大事な前作である。
最近では、“書店の店員さんが薦める…”などのランキング本や、帯が目につく程なのに、こんなにメジャーな作家の新刊で、伏線張りまくりの前作が無いなんて! 出版社もどうかしている。
とにかく、内容がどうだとか、犯人がその人じゃつまらないとか、そんな事よりも、売る側の商売下手が気になってしまった作品だった。
とにもかくにも、これから「日暮らし 」を読もうとしている方々、
まだ「ぼんくら 」に目を通して無いなら、こちらを先に購入するよう
おすすめしますよ。
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