ハチミツとクローバー / 羽海野チカ 著
なぜか9巻を、周辺の書店で見かけることがなく、最近まで完結している事を知らなかった
『ハチミツとクローバー (9)』
連載していた雑誌の休刊などを乗り越えての完結、他人事ながら読み終わったときには、ホッとしていた。
感想としてはヘンだが、お疲れさまでした!という感じである。
アニメになり、映画にもなっているが、これらはラブストーリー色が強くて、甘々な作品“女の子が見るもの” になってしまっている。
が、私は当初ギャグ満載のコメディー漫画として読んでいた。
ストーリーは、美術大学の風化寸前の寮に住む貧乏学生たちと、同級生の女子・講師、バイト先のデザイン事務所の面々などを巻き込んだ、今を一生懸命生きている人たちの話。
前半は、ギャグと勢いで引っ張って、時折しんみりさせるのは集英社カラーの王道。
今回読んだ9巻あたり (8巻かなぁ…)になって、それぞれの「進路」という現実問題が提示されるまで、私は「あ、 こいつら美大生だっけ。しかも、 もう卒業じゃない!?」と、その辺のことをスッカリ忘れていた。
あの連中の“青春祭り”がその内終わる事など、ついうっかり忘れるほど、個性的なキャラクターが揃っている。
やっぱり、ダントツは「森田」だろう。
貧乏学生寮の中で唯一、そしてなぜか金回りが良い森田!
ある日突然寮から居なくなったかと思えば、数日後にこれまた突然帰ってくる。
目の下にクマを作り、魂まで抜かれたようなフラフラの状態で、得体の知れないバイトで稼いだ札束をポケットにぎっしり詰め込んでの帰還。
それでも、日頃肉にすらありつけない貧乏学生たちへの土産は忘れず、山のような大量のコロッケを「みんなで食べてくれ」 と持ち帰ってくる森田。
森田よ!
そんなに金があるのに、なぜ…コロッケ?!
大量に買う金があるってのに、コロッケ…!
その、さり気ない嫌味が森田である。
そして気になって仕方がなかった、卒業制作の彫刻!
札束を抱えて満面の笑みの自画像。
でも途中…っ!
仕上げろよ!
こういうと金の亡者(そうなんだけど)の人でなしのようだが、結構いい奴なのだ。しかも、こと美術に関しては天才である。
金に汚いのも、それなりの理由がある事も後半明らかになる。
初心者には取り扱い注意人物だが、見ていて飽きない。
彼氏にしたら、振り回されそうなんだけど、友達にはしておきたいキャラクター。
それが森田である。
と、まぁ、他の登場人物も美大生なだけに個性派が揃っていて、飽きさせない。
もしかして、主人公(…な、はず)の竹本が一番普通かも知れない。
TVや実写では、やはりこの面白さは出せないので、是非原作を読んで欲しいもの。
ページをめくる「間」があってこそのギャグなのだから。
ハチミツとクローバー 10 (10)
羽海野 チカ
![]()
by G-Tools
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)

























最近のコメント
キム・ミョンガン 著
キム・ミョンガン 著