2016年5月 7日 (土)

吉野朔実先生が!

 吉野朔実先生の訃報に驚いた。
はっさくにとっては「影響を受けた作家さん」筆頭の方だったので、残念でならない。

 我が家の本棚には「ぶ~け」の頃からの作品がズラリと並んでいる。

  あの頃の少女漫画は恋愛ドラマが主流(今も?) で、その中でもがく女性作家さんはかなりいたと思う。山下和美先生なんかも、そうではなかったかなぁと勝手に思っている。
(ぶ~けは比較的自由だったけど)
  吉野朔実先生のテーマも、その枠にとらわれない作品が多く、少女漫画=恋愛ものを求める読者には、少々取っ付きにくかったかもしれない。
  はっさくには、そこが良かったんだけども。

  「漫画は文章で説明するのではなく、絵で心情を読ませるもの」と、その昔聞いたことがある。つまり読者の側にも行間を読み取る能力が必要だった。その能力が低かったはっさくは、友達と「あの場面は」「あのラストは」などと盛り上がっていたのを思い出す。吉野朔実先生も、そういう作家さんの一人だ。

  そのせいか、今より認知度の低かった当時、大人たちに「漫画なんか」と言われるとカチンときていた。
  じゃあ、読めるのか?良さが理解出来るのか?と鼻先に突き付けてやるとしたら、おそらく「少年は荒野を走る」や「ジュリエットの卵」「いたいけな瞳」ではなかっただろうか。

  カラーページの美しさも、独特な空間バランスの取り方も、描き文字も、沢山勉強させて頂いた。

  さて、本棚からどれを引っ張り出してこようか~。

  吉野朔実先生のご冥福を、感謝と共にお祈り申し上げます。
 

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2006年10月 2日 (月)

ハチミツとクローバー / 羽海野チカ 著

  なぜか9巻を、周辺の書店で見かけることがなく、最近まで完結している事を知らなかった
ハチミツとクローバー (9)

  9巻10巻をやっと、 完読。

  連載していた雑誌の休刊などを乗り越えての完結、他人事ながら読み終わったときには、ホッとしていた。

  感想としてはヘンだが、お疲れさまでした!という感じである。

  アニメになり、映画にもなっているが、これらはラブストーリー色が強くて、甘々な作品“女の子が見るもの” になってしまっている。

  が、私は当初ギャグ満載のコメディー漫画として読んでいた。

  ストーリーは、美術大学の風化寸前の寮に住む貧乏学生たちと、同級生の女子・講師、バイト先のデザイン事務所の面々などを巻き込んだ、今を一生懸命生きている人たちの話。

  前半は、ギャグと勢いで引っ張って、時折しんみりさせるのは集英社カラーの王道。

  今回読んだ9巻あたり (8巻かなぁ…)になって、それぞれの「進路」という現実問題が提示されるまで、私は「あ、 こいつら美大生だっけ。しかも、 もう卒業じゃない!?」と、その辺のことをスッカリ忘れていた。

  あの連中の“青春祭り”がその内終わる事など、ついうっかり忘れるほど、個性的なキャラクターが揃っている。

  やっぱり、ダントツは「森田」だろう。
  貧乏学生寮の中で唯一、そしてなぜか金回りが良い森田!

  ある日突然寮から居なくなったかと思えば、数日後にこれまた突然帰ってくる。
 目の下にクマを作り、魂まで抜かれたようなフラフラの状態で、得体の知れないバイトで稼いだ札束をポケットにぎっしり詰め込んでの帰還。

  それでも、日頃肉にすらありつけない貧乏学生たちへの土産は忘れず、山のような大量のコロッケを「みんなで食べてくれ」 と持ち帰ってくる森田。

  森田よ!
  そんなに金があるのに、なぜ…コロッケ?!
  大量に買う金があるってのに、コロッケ…!
  その、さり気ない嫌味が森田である。

  そして気になって仕方がなかった、卒業制作の彫刻!
 札束を抱えて満面の笑みの自画像。
 でも途中…っ!
 仕上げろよ!

 こういうと金の亡者(そうなんだけど)の人でなしのようだが、結構いい奴なのだ。しかも、こと美術に関しては天才である。

 金に汚いのも、それなりの理由がある事も後半明らかになる。

  初心者には取り扱い注意人物だが、見ていて飽きない。
  彼氏にしたら、振り回されそうなんだけど、友達にはしておきたいキャラクター。
  それが森田である。

  と、まぁ、他の登場人物も美大生なだけに個性派が揃っていて、飽きさせない。
  もしかして、主人公(…な、はず)の竹本が一番普通かも知れない。

 TVや実写では、やはりこの面白さは出せないので、是非原作を読んで欲しいもの。
 ページをめくる「間」があってこそのギャグなのだから。

ハチミツとクローバー 10 (10)
羽海野 チカ

ハチミツとクローバー 10 (10)
ハチミツとクローバー (9) ハチミツとクローバー (8) ハチミツとクローバー (7) ハチミツとクローバー (6) ハチミツとクローバー (5)
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2006年5月15日 (月)

百鬼夜行抄 / 今 市子著

          Yondemita

 私は、日頃人の漫画は、あまり読まないようにしている。
 まったく読まないわけではなく、読む時は「読むぞ~っ」という態勢で、つまり気持ちが左右されないように2~3日余裕を取ってみたりする。
 なぜなら、ついうっかり影響されちゃったりするのだ。
 高倉健の作品を見て、映画館から出てくる時“健さん”になりきっている人、といえば分かりやすいだろうか。

 でも、時々無性にマンガ漬けになりたい時がある。
好きな漫画家さんは、新刊が出ると最初から読み返したりもする。
  この『百鬼夜行抄 (14)』もその中の一つである。

  絵は地味で(すみません…)ノスタルジックな、今時の流行画風に影響されていない処が好きだ。
  むしろ洋服の柄に、CGトーンなんか使わないで欲しいと願っているくらいである。

  時々、コマの読ませ方に不自然さが見受けられるので、人の視線を誘導する初歩的な技術を知らないらしく、担当は何しているんだ?っと気になるが、それさえ些細なことと目をつぶれば、上質な作品。
(グロくはないけど、恐いのが苦手な人はダメかも?)

  内容は、怪奇小説家であり、人間とは別の世界に住まうモノを操る術師でもあった祖父の下で育った主人公が、祖父の死後に、祖父の操っていた式神に守られながら、本人としては極力避けて通りたい鬼や幽霊やその他のもののけ達との生活(?)を描いた作品である。

  だからといって、バトルしたり、トーナメント大会になったりというような少年誌の方程式ではない!
  登場する鬼達も、愛敬があるし。
 何よりも恐ろしいのは、人の内に巣食う欲望の心ではないだろうか?と問うているのが
百鬼夜行抄 (14)」のテーマだろう。
 
  週末の静かな夜に、しっとりとした読書感を与えてくれる。
  そんな作品である。

【追記 2006.5.17】
   表紙が綺麗なので、並べてみた♪

    百鬼夜行抄 (1) 百鬼夜行抄 (2) 百鬼夜行抄 (3)

    百鬼夜行抄 (4) 百鬼夜行抄 (5) 百鬼夜行抄 (6)

    百鬼夜行抄 (7) 百鬼夜行抄 (10) 百鬼夜行抄 (11)

    百鬼夜行抄 (12) 百鬼夜行抄 (13) 百鬼夜行抄 ドラマCD
    ドラマCD 百鬼夜行抄 第2巻~闇からの呼び声~ ドラマCD 百鬼夜行抄 第3巻~不老の壺~
 ★8.9巻はアマゾンアフィリエイトに画像がなかった(なぜ?)
  上から8冊分は実物だと同じ大きさなんですが…。
  下の三つはCDドラマのジャケットです。 

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