男に大人なんていない!? /
キム・ミョンガン 著
「えっ!そうなの?」と、本屋で思わず足を止めてしまったタイトル。
常々、病んでいく今の日本を再生するには、男性がもう少し大人になる事だ。頑張れ日本男児!と思っていた私には身も蓋もない、 このタイトル!
「男に大人なんていない!?」
著者のキム・ミョンガン氏の名前は一応見知っていた。かの漫画家槙村さとる先生と、知り合って3週間でスピード婚したという旦那さまである。
(詳細は『人生の穴ときどき落ちても大丈夫― 槇村さとる対談集』にて)
性人類学という分野を研究した著者の目からみた、日本男女間の問題点など、「あぁ、やっぱりそこがネックなのね」と合点がいくことが記されていた。
イラストの内田春菊氏が、冒頭の挿し絵で「目からウロコ!でも、そーゆーのばっかしなんだよ(泣)」といっているように、じゃあどーすりゃいいのさ?!というのが正直な感想だ。
ミョンガン氏いわく、男には「幼児」と「成人した幼児」しかいない!と、バッサリ。
すべての哺乳類に家族というものがあり、父と母と子供のいる家族が通常、と思ったら大間違いです。
母子家庭こそ生物の基本形なのです。
父親などというものこそ、人類最大(?)の発明品といわれているのです。
ごく一部の例外を除いて、哺乳類には父親など見当たらないのです。基本的には乱交であるサル社会など、乱交であるがゆえに、特定の父親などいないのです。母子家庭こそが基本にして通常形態というわけです。
そして日本社会こそ自然界に最も近い「母子家庭」である、といわれています。
これはいったいどういうことなのでしょうか。精神分析学者によれば、日本は「成人した男性のいない社会」(『父親とは何か― その意味とあり方』佐々木孝次:著) となっています。
日本には「幼児」と「成人した幼児」という、2種類の男性しかいないのです。
う~ん。男性陣には耳の痛い話だろう。
でも、それを容認してきたのは女性でもあるわけだから、女性にもチクリとくる話である。
欧米人は、日本男性が子供が生まれると、自分の妻を「ママ」と呼ぶので驚くそうな。
そういえば、TVドラマで「私は“お母さん”じゃなくて、ちゃんと名前があるのよっ!キィ~ッ」と叫んでいるシーンを見かけるな…。
これはけっして若者を指しているわけではなくて、60歳でも「成人した幼児」といっているのである。
確かに、いるかも。私でも日常生活で目に付く、バスや電車での老夫婦。十中八九、お爺さんが座ってお婆さんが立っている。 (若い人は逆だと思うよ)
あるいは、ファミレスでドリンクバーを取りに行くのはオバサンで、オジサンは座っているとか。
もっと気になる(腹が立っているのは)デパートの出入口のドア!
結構重いドアを、私がやっとの思いで開けると、平然と素通りするオッサンである。(これは青年もだな)
「あんたが開けておけよっ」は、百歩譲るとしても“すみません”の一言ぐらい言ったらどうだ?
そもそも、私が開けたのだから、私が一番最初に通るのでは?という考えはおかしいのだろうか。
女性らしくないのかな…いや、母性らしくないということかも?
今まで“すみません”を言った男性など殆ど居なかった。ましてや開けておいてくれた男性など皆無である。
これが子供だったら、同行しているお母さんが“すみません”というのだろうけど。
私とてお婆さんが通ろうとしていたら、譲るし開けておく。バスや電車でも席は譲っている。
長い愚痴になったてしまったけど、すべて「成人した幼児」と置き換えれば、納得である。
言い切るミョンガン氏も凄いけど。
みんなPCだってアップデートするだろうに、日本は父親という発明品を、古いバージョンのまま、我慢して使用中、ということかぁ…。
この手の本は、本当は男性が読んだほうが、中身を磨けるという気がしている。装丁が女性向けっぽいので、書店でレジに持っていきにくいんだけどね。
以前に『結婚の条件』 (小倉千賀子:著)を書評した時も書いたかもしれないが (記事はこちらから)、この人達に共通しているのは、 大学で教えている事。
若い世代の、現場の声を聞けるというのは、強味だ。
政府の統計なんかより、ずっと当てになる。
と、保育所増やすのが、なんで少子化対策になるのか、サッパリ解せない私は思う。
男に大人なんていない!?
キム・ミョンガン 内田 春菊
人生の穴ときどき落ちても大丈夫―槇村さとる対談集
槇村 さとる
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コメント
キム・ミョンガンで検索したら、こちらの記事に辿り着きました。
すんごくいいタイトルですね~~!
昨日、桜庭一樹の「私の男」読んだばかりほやほやなので、、つくづくそうだなーと感じます。
キム・ギドク監督の「サマリア」のパッケージに、「男はセックスの時、子供みたいなんだから」ってあるんですけど、それ思い出しました。言ってるのは、女子高生なんですけどね(^-^;
岡本太郎が、女は生まれた時から「女」だと書いていたんですが、「男に~」が上の句なら、こっちは下の句ですね、なんだか。
投稿: とりさん | 2008年12月22日 (月) 07時40分
◆とりさん
男性の著者の方の本はいろんな意味で参考になりますね。
いつも最後には「じゃあ、どうしたら…」という余韻が付きまといますが。
投稿: はっさく | 2009年2月 7日 (土) 18時29分